シニアペットと暮らして

最期までプライドが高かった

みゅう・20歳
公募

著者/小丸まき子

家に来たばかりの頃から気が強く、人に媚を売らない性格でした。
それまで家にいた子はみんな温厚な方だったので、気の強さに驚かされあっという間に我が家の女王様に。
襖や障子を破くのは当たり前、可愛い顔してそんな悪い事をするのだから質が悪かったです。
けど、気が強い反面、膀胱が奇形である事が分かり小さい頃から一番病院にお世話になって治療費も一番かかったかもしれません(笑)
療法食以外だとすぐに膀胱炎を発症してしまうようになり、早い段階から市販のご飯やおやつをあげる事が出来ない生活に。

9歳 紐で遊ぶのが好きでした

親バカですが賢い子だったので、具合が悪くなると病院に行けば楽になる事が分かってたかのように診察中は大人しく、よそ様にはいい子の顔をしてました。
小さい頃から薬を飲むのも慣れていたせいか、腎臓を悪くしてからも定期的に飲む薬も嫌がってはいましたがちゃんと飲んでくれたり他の子に比べると手がかからずいい子でした。
一緒に暮らしていた先住ネコさんの事が大好きであんまり人には甘えなかった子ですが、先住ネコさんが亡くなってしまってからはとても甘えるようになり。
子供返りしたかのように甘えてくるようになって、仕事から帰るといつも出迎えてくれ膝の上に乗って喉を鳴らしてくれました。
仲良しだった先住ネコさんが亡くなったのもあっただろうけど、夜鳴きなどもしてたので不安な気持ちもあったのかなと思います。
甘えてくれるのは嬉しかったですが、年を取ったんだなと実感した瞬間でもありました。
徐々に腎臓の数値も悪くなり始め痩せていく姿を見るのは辛かったです。
だんだんと足腰が弱りトイレに行くのも大変で失敗することも多々ありましたが、最後まで自分で移動して用を足してました。
こちらが手助けしてトイレに連れて行ってあげても入り直してやり直すぐらいだったので、この子は本当にプライドが高いなと驚いた記憶があります。
食事もだんだんと取れなくなってきてましたが、口元へ持っていくと自力で少しずつでしたが舐めて最期まで食べようとしていました。
小さい頃はおやつもあげれなかったので、食欲が落ち始めてからは好きな物を好きなだけあげるようにしていました。
亡くなるその日まで食べようとしてくれたので最期まで諦めないでいてくれました。

19歳 亡くなる2か月前

半分寝たきりの状態になってもそれでも自力で動こうとしていたので、本当に強い子でした。
そろそろオムツも付けないと駄目かなと思って購入をした矢先に旅立ってしまったので、もしかしてオムツ付けるのが嫌だったのかなぁ、なんて思ったり。
プライドの高い子だったので弱ってる姿を見せるのはきっと嫌だったと思いますが、最期まで傍で看取れた事良かったと思います。
夜鳴きやトイレの失敗、食事のお世話、病院通いと色々と大変な事もありましたがそれもすべていい思い出です。
20歳まで生きてくれたこと、最期まで頑張ってくれたことに感謝しています。
未だに思い出すと泣いてしまいますが、辛い事も楽しかった事もすべて大切な思い出です。

20歳(左) 9月20日の誕生日に撮影