シニアペットと暮らして

白血病のチーちゃん

チー・10歳
公募

著者/匿名希望

今まで何匹もの猫を見送りました。今も6匹います。
2009年10月ジョギング帰りの公園で初めて見る白い猫がたたずんでいました。それが出会い。近づくと膝に乗ってくる人懐っこさ。翌日はクチナシの生け垣の隙間から顔だけ出して駐車場を見てました。

白い子は目立つし、あとをついてくるし、やがて「あいつは病気でお金がかかる。保健所へ連れていけば殺されるからと遺棄されたそう」とまた聞きし、不憫で、終日気になって。

ほどなく同じように気にかけて寝場所を用意しようとした友人たちから「目ヤニと鼻水がひどくて食事が食べられない」と知らされました。
あいにく私は翌日から出かける予定になっていたので「費用は持つから、お願い、獣医へ連れてってあげて」8日後帰宅すると、留守電に「あの子は白血病」と1週間の入院治療と去勢手術も受けたそうです。

猫の白血病・移る・初めて知りました。
公園にはほかにも猫たちがいて移ると知り心配でしたが、他の獣医さんの話として「100回同じ食器で食事をしたら移るだろうけど、1回2回じゃ大丈夫」も耳にしました。

推定1歳。家へ来て3ヶ月後。一匹だけで一部屋で暮らしてました。

家へ連れてこれたらといつも胸を痛めてましたが、先住2匹に移るという怖さで思いきれませんでした。
人懐っこくて誰かについて行っては戻れなくなり、自転車で探し回る、を見かねた夫が「家の子にしよ」その一言で「別室で飼えばいいんだ~」

2013年・推定5歳。ご機嫌さんです。

12月、獣医経由で我が家の2Fの一室生活が始まりました。
「温かく安静にしてて」。獣医も私も春を迎えれるとは思ってませんでした。点眼・点鼻。服薬・泥便の片づけは手間だったけど、あまりにいい子でどんどん情が入っていきました。部屋への出入りにはコロナのように専用の上着、スリッパなどを用意して。そして退屈だろうからと1日に数回夫と交替で遊び相手に行きました。大歓迎でした。
南の窓からいつも外を見てたので、近所の学童の子供たちから「窓からいつも外を見てる白い猫」と人気者になりました。
先住やその後保護した猫たちにも5種ワクチンを打って、夏場は1F別部屋でへそてんで寝てました。

2014年。推定5歳、チー(右)だけ容器が違います。

ワクチンをしてるし、食器などに気をつけてればと、1年半後やっと同居生活を始めました。
人間ならこの人の友達の1人にしてほしいと願う、そんな性格。
人にも猫にも友好的で愛らしく、一歩引いて周囲に譲る性格もあり、夫婦で思いっきりかわいがりました。
いつの間にか「遺棄してくれたからチーに会えた。うちの子に出来た」と考える様にもなりました。若い猫をオモチャでからかっているとどこからか突進してくるので「万年青年だね~」とその元気さがまだまだ大丈夫と嬉しかったけど、5年ほどしたら孤独を好むようにもなりました。だるかったのでしょう。

クロークトントンが7歳。こもりたがっていました。

最後の2ヶ月はほとんど食べれず。「チーちゃん、逝く時は知らせてね」
2017年3月24日、夕食後の後片付けをしてる時、箱から顔を出して「ニャ~ニャ~」とありったけの声で呼びました。

縁側にいるのが11日前。写真ではわかりにくいけど体重は半分になっていました。

「わかった。すぐ行く」その時が来たと覚悟しました。
1時間ほど抱っこ。そして横に寝て、夜明け前にとうとう旅立ちました。今生の別れはいつも悲しいです。だけどありったけの想い出を残してくれました。私があちらへ逝ったらまた会えます。その時は病んだ体から解放された元気なチーです。そう信じて残った子たちにも精一杯の愛情を注ぎたいです。