シニアペットと暮らして

老犬の沼にはまる

Qべぇちゃん・推定15歳
公募

著者/メルママ

私はその時保護団体に所属して、殺処分の前日に処分場へ行って処分予定の犬を引き取り、里親さんを探すボランティアをしていました。
私の住んでいる地域は2週間に1度金曜日に処分機を動かしていました。(現在は殺処分ゼロです)

水曜日に今いる子がどんな子か連絡が来ます。「今回は若そうな野犬と飼い主持ち込みの15歳の老犬です」と…
老犬は里親さんが見つからないのでその当時は私の所属している保護団体では引き取れず、そのまま置いて帰ってきていました。殺処分されるのをわかりながら置いてくる辛さ…毎回ごめんね…と泣きながら帰りました。
15歳の老犬がいる木曜日、行きたくないな…と思いながら車で処分場へ

処分場ではじめて会った15歳の老犬はシッポが2本(1本は毛玉がシッポと同じ長さになっていました)耳からも大きいイヤリングのような毛玉
飼い主持ち込みなので名前もわかっていましたが、その名前呼んでも全く反応せず、ずっとくるくる同じところを歩き回っていました。

持ち込み理由には一言「うるさい」でした。15年も一緒に暮らしてうるさい…?

ひどすぎる…

処分場にいる間に主人から「保護団体とは別に個人的にその子をうちの子として引き取ろう」と電話がありその飼い主持ち込みの15歳の老犬をうちで引き取ることにしました。

お皿を運ぶQべぇ

家に連れてきて、Qべぇという名前を付けました。
そのQべぇという名前をすぐおぼえて、Qべぇ!と呼ぶとニコニコな笑顔で飛んで来ます!
どんどん明るく若返り、うちに元々いたレトリバーのマネをして食べ終わったお皿をキッチンへ持ってきたり、老犬だからトイレは無理かな?と教えもせずにマナーベルトをしていましたが、レトリバーのマネをしてトイレでするようになりました。(ちゃんと女の子座りで)今までの私の中の老犬は昨日できていた事が今日できなくなる…でもQべぇは昨日できなかったことが今日できるようになるんです!そんなQべぇを見ていて老犬だからきっと里親さんはみつからない…老犬だから大変…そう思い込んで今まで処分場に置いてきてしまっていた老犬たちに申し訳なくなりました。

1番若いレトリバーが大好きでいつもくっついているQべぇ

正直15歳の老犬だから看取りのつもりで引き取りましたが、そこからいろいろなことをおぼえ、若返るという老犬の素晴らしさをますます実感しました。

その後また寝たきりの老犬が処分場にいると連絡が来て推定15歳のお婆ちゃん犬を引き取り、リズと名付けました。

寝たきりで床ずれもあったその子も歩けるようになりみんなでドッグランへ行って走り回ったり、Qべぇが若い女の子(メス)にしか興味がなく老犬のリズには「わしに近づくな!」って怒ったりしてそのお爺ちゃんQべぇとお婆ちゃんリズのやり取りが毎日おもしろく老犬との暮らしが本当に楽しい!と思いました。

みんなでドッグラン

その子たちがきっかけでその後は老犬だけを処分場から引き取り、今現在は引き取り老犬は3頭。看取った老犬はQべぇとリズも入れて11頭…

Qべぇと出会ったおかげでますます老犬好きになりました。
もちろんくるくる徘徊したり、夜鳴きをしたり、寝たきりになりだんだん食も細くなったりオムツになったり…大変なこともありますが、それがまた愛おしくQべぇとリズのおかげで老犬の沼に心地よくはまってしまっています。