シニアペットと暮らして

穏やかな性格で誰とも揉めないアルとの16年9ヶ月を振り返って

アルちゃん・16歳
公募

著者/谷池 光世

2003年3月、雨の日にアルと出会いました。
早くお家に帰るんだよ?と声をかけたらついてきて、そのまま夜まで5時間以上、玄関先で鳴きわめかれ、根負けしました。
家に入った途端、先住猫のご飯を食べ、トイレを使い、コタツの中で爆睡!

16年前、保護翌日

翌日獣医さんへ。推定4ヶ月、鼻の奥の骨が溶けるくらい鼻炎が悪化していて、脱水と栄養失調、当然風邪とノミ。後ろ足の筋肉が非常に弱く、もって1歳かなという判断でした。
ただ、真っ白で人懐こいので、飼われていた可能性もあるので、迷い猫保護のチラシも作りましたが、問い合わせはなく、1ヶ月後正式に我が家の一員になりました。
獣医さんの見立てとは裏腹に、鼻以外悪くもならずに10歳に。途中12日間家出をしましたが、また戻ってきてくれました。
10歳の時、後ろ足の靭帯断絶。原因は不明です。本人痛みもなくなり、手術もせずにサプリで現在も普通に過ごせています。
パウチのご飯を食い破り、2週間アルミ片が出てこず、食欲不振と吐き気で大変な時もありました。
先住猫兄弟とも仲が良く、穏やかに過ごしていましたが、14歳の時相棒の黒猫が突然死。

先住猫と仲良し。8歳くらい

その後3ヶ月ご飯もあまり食べず、どんどんやせ細りながら鳴いてウロウロと相棒を探す姿を見るのは辛かったです。
繁殖屋放棄のアビシニアン女子を迎えた途端、目が完全にハートになり、メキメキ回復して安心しつつも何てやつだ!とちょっと思いました。今でも家庭内片想い中です。
その1年後、10年近く糖尿病を患っていたもう1匹の相棒が亡くなり、また食事も喉を通らなくなってしまい…
お世話をするのが好きなアルのために小さな相棒を新たに迎えたら、これがなかなかヤンチャ坊主で。ストレスで身体中まだらに禿げてしまいました。
体重も最盛期は5.6キロあったのが2キロ台まで落ち、数ヶ月強制給餌が続きました。アルだけでなく、私も迎えたのを後悔しそうな辛い数ヶ月でした。
その後、小さな相棒の兄弟を迎えた所、アルの負担が減ったのでしょうか。再び復活!2匹に刺激を受けているようで、自分でご飯を食べ、体重も3.5キロにまで戻りました。
慢性副鼻腔炎は続いていますし、冬は2週間に1度抗生剤の注射をしなければ鼻血と膿で詰まってしまいます。
自宅でのネブライザーや、沢山のサプリや整腸剤も欠かせません。

保護から1ヶ月後

半年に一度は血液検査をして、甲状腺の異常も含めてチェックしてもらっています。
足腰も弱くなるので、階段には滑り止めの絨毯。温度帯の違う部屋を自由に行き来できるようにして、夏でも暖かいベッドや湯たんぽを準備しています。
毛繕いもしなくなります。お風呂は温度変化が心配なのでウェットシートで拭いたり、ブラッシングの回数を増やしています。
爪も板根のようになります。人間の爪切りの方が切りやすい時もあります。
食事はドライをふやかしたり、ミキサーで粉砕して匂いの強いスープで練って食べさせたりもします。
水分をあまり取らなくなるので、鶏や魚を水煮したスープを冷凍してあり、水分補給に与えています。
日々穏やかな表情で側にいてくれるアル。この子がフーシャー言った姿を見た事がありません。
今は新たな3匹の相棒と共に、毎日のんびりと過ごしています。
1年持たないと言われた命は11月で17歳になります。アルの生命力に感謝です。これからもみんなの爺ちゃんでいてね。

16歳9ヶ月、現在のアルです