犬と猫との付き合い方

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犬や猫との生活をはじめる前に

【犬や猫との生活をはじめる前に】

犬や猫との共同生活から得る恩恵は多々あります。様々なストレスを抱えながら生活している私達にとって犬や猫は心の癒しになります。犬はいつでも温かく迎えてくれ、裏切ることがありません。家族に必要以上におもねることはありませんが、猫も一緒に生活していて飽きることがありません。動物との生活で命の大切さを実感することができますし、愛犬・愛猫への慈しみの気持ちが他者への思いやりにつながることが多いように思えます。

しかし、犬や猫との生活をはじめる前に考えておきたいこと、入手後の注意事項などがあります。それらをここで紹介することにします。犬を家庭に迎えてすばらしいパック(群れ)を構築するため、あるいは猫とはんなりと暮らしていく心構えです。成熟した犬や猫を里子として貰い受ける場合もありますが、ここでは新しく子犬・子猫を迎えることを想定します。

なお、子猫を迎える場合の注意事項はそれほど多くはありません。記載内容が子犬を迎える準備にやや傾くことをお許しください。

原則1:ライフスタイルに合致しているか

自分自身の現在、そして将来のライフスタイルと犬や猫との共同生活を想像してください。犬や猫の世話には手間と時間を要します。犬や猫と共同のライフスタイルを作ることができますか。

ライフスタイルに合致しているか 人間をこよなく愛してくれるのが犬です。一人ぼっちでの留守番が長くなると、分離不安(家族と離れた時に見られる泣きわめき、破壊行動、排尿・排便)が始まるかもしれません。家族の対応が間違っていると支配性攻撃(昔はアルファ症候群と呼ばれていましたが、これはリーダーの位置に立とうとするからではなく、家族が無意識のうちに犬の悪い行動を強化していることが原因です)と呼ばれる反抗的な態度が見られることがあります。犬種によっては暑さ・寒さ対策も必要です。遊び好きな犬は家族に構ってもらうことに無上の喜びを感じます。犬との共同生活はあなたのライフスタイルに合っていますか。

猫の場合、基本的に独立独歩です。それほど危険な問題行動もありません。しかし、猫にとっても家族とのふれあいは楽しいひとときとなります。猫のために、特に夜の時間に時間を割くことができるライフスタイルですか。

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原則2:責任を持った家族になれるか

大部分の人達が購入前には「責任を持って生活できる」と断言します。しかし、小さく、かわいかった子犬・子猫もあっという間に大きくなります。大きくなったから、世話が面倒になったから、悪戯ばかりするから、問題行動が矯正できないからなどの理由で見捨てるわけにはいきません。犬も猫も生きとし生けるものです。

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原則3:家族構成、家庭の事情、毎日の生活パターンなどに合っているか

原則1にも通じることです。お年寄りが家族にいますか、赤ちゃんが家族にいますか、アレルギーの人はいますか、同居する他のペット達はいますか、どんなペットですか・・家族構成は入手前に配慮が必要な事項です。力の強い大型犬をお年寄りが世話することはなかなか難しいことです。

アレルギー 猫の毛にアレルギーを持つ人が家族にいると猫との生活はできないかもしれません。犬・猫と接する時間を確保できる生活パターンであることも重要です。家族構成、家庭の事情、生活パターンは子犬・子猫入手前に配慮が必要な事項です。

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原則4:ある程度の経済力は必要

経済力 日常使う物を購入し、犬や猫の代金を支払えば、あとは食事代だけと考えがちです。しかし、登録(犬)、動物病院での健康診断、ワクチン接種、フィラリア予防薬(犬)、手術、さらにしつけ教室(犬)、シャンプーなどもあります。ある程度の経済力は必要になります。

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原則5:特性を事前に知っておくこと

猫 純血種の犬をご希望ならその特性を書籍などから知ることができます。犬種毎にまとめられた本が多数出版されています。大きさ、性格の特徴、注意事項などを事前に知っておくと共同生活への備えをすることができます。純血種以外の特性を知ることは困難です。混血種の子犬を貰い受けるときは父母犬の特徴を聞いておくと参考になります。

猫の場合、品種による特性はそれほど詳しく知られていません。一般的に短毛種の猫は活発で、長毛種はおっとりしているとされています。また、純血種と混血種を比較したレポートでは、純血種の猫は愛情深く、行動の予測ができ、人に頼る傾向が強く、家族と過ごす時間も長いとされています。ただし、これも個体差が大きいようです。

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原則6:子犬・子猫をよく観察する

子犬・子猫の様子を十分に観察しましょう。性格(行動の傾向)検査をやってみるのも一方法です。知らない人が近づいたとき、大きな物音がしたときの表情と姿勢を観察します。避ける行動を示す、異常に驚く、過度に服従的になるなどを示す個体は恐れの行動が強い傾向があります。静かな場所で落ち着かせようとしたときにじっとしていない個体は、興奮性が高い傾向があります。抱き上げたり、ちょっと押さえつけたりに対して強い抵抗を示す個体は、支配性が強い傾向があります。撫でられることを喜び、離れて呼ぶとすぐやって来る個体は、社交性が高い傾向があります。この検査では、こうでなければならないということはありません。こだわりすぎる必要もありません。例えば、恐れの行動傾向が強い個体でも、のんびりと静かに過ごさせれば、従順で優しく、家族思いのとても良い伴侶になります。子犬・子猫の行動の傾向を知っておくことは、家族になったときの対処を容易にしてくれます。

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原則7:衝動買いはしない

衝動買いは禁物です。子犬・子猫を十分に観察し、可能なら父母犬・父母猫を観察します。子供は親(特に母親)の行動から生きていく方法や社会性行動を学んでいます。ブリーダーさんからも十分に話を聞いてください。そして納得できたら入手を決めます。

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原則8:価格については現実的に

標準的な価格は下調べしておきましょう。ショーへの出展希望がない限り、自分が支払える範囲で入手を考えるのが現実的です。それより性格はどうか、遺伝病がないか、清潔な場所で育ち、十分な社会化がなされているか、トイレのしつけはどうかなどの方が重要です。

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原則9:かかりつけの動物病院をつくる

病院 下調べをしてかかりつけの動物病院を考えておきましょう。健康診断、ワクチン接種、フィラリア予防(犬)、いろんな場面でお世話になります。信頼できる動物病院を見つけておくことは大切です。

【犬や猫との生活をはじめる前に】

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子犬・子猫を迎える準備

子犬・子猫を迎える準備をしなければなりません。まず必須グッズを取り揃えます。室内犬と室外犬、あるいは室内生活だけの猫と室外に出ることがある猫では少し異なるかもしれません。ブリーダーさんなどに必要なものをよく尋ねてください。

猫、特に室内生活の猫は“一ヶ所から自分のいる環境が全て見える”を求めます。犬は二次元で動きますが、猫は三次元で活動します。高さを利用した仕掛け(高さを違えた棚、キャットタワーなど)がある生活環境にし、動き回ることができるスペースを最大限に広くし、さらに外の世界も見えるようにしておくと、猫にとって社会的刺激もあり住み良い環境となります。

子供さんのいる家庭では「犬・猫の特性」「子犬・子猫の取り扱い方」などを事前に教えてあげることも大切です。子犬・子猫にとって休息が必要なことを十分に説明してください。

猫
  • 居場所:ケージ・サークルなど(安心できる場所の確保)
  • 寝場所:ベッド・マット・毛布・バスタオルなど
  • 食事:容器(食事用と飲み水用)、フード、フード容器、計量カップなど
  • 散歩(主に犬):首輪・胴輪・チェーン、引き綱など
  • 遊び:ボール、おもちゃなど
  • 毎日のケア用品:オシッコシーツ(犬)、ブラシ、クシ、シャンプー、爪切りなど
  • 運搬:運搬用ケージ、キャリーバッグなど(必要な場合)

さらに猫では

  • トイレ容器、猫砂、爪研ぎ用具など

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食事

フード それまでの食事を参考にするのが手っ取り早い方法です。フードの種類、量、間隔、追加する副食等を尋ねておきましょう。さらに成長期の食事についても質問しておくと、当座はなんとかなります。また、動物病院に相談するのも良いでしょう。

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社会化(様々な環境への適応)

写真 子犬がやってくるのは6~8週齢頃です。既に母犬、兄弟姉妹犬との間で社会化が始まっています。まずはいろんな経験をさせて(人、乗り物、動物、環境に対して)、社会化をさらに進めましょう。楽しい共同生活を形成するために、この時期の経験はとても重要です。

攻撃性(支配性)の強い犬種は、人に危害を加えることがないように、老若男女、メガネをかけた人、髭のある人、車椅子の人、いろんな人と接触させ、誰にでも信頼をおくようにします。自転車、オートバイ、車も社会化の対象です。家庭内の他の愛玩動物とも接触させましょう。この時期に形成した社会的関係は終生保つことが可能です。ただ、何らかの理由で社会的関係が揺らぐときもあります。

そんなときは家族の介入が必要です。近隣環境に対しての社会化も必要です。ワクチンで免疫がきちんとできてからになりますが、公園デビューして他の犬と接触する、しつけ教室で他の犬と接触する、人の大勢いるところに慣れさせるなども社会化の一環です。

子猫の場合も正常な社会関係を発達させ維持させることが重要です。ただし、犬と異なり猫の社会化は7週齢頃に終わるとされています。猫の社会化はブリーダーさんの育て方で決まると言っても過言ではありません。7週齢頃までに、兄弟姉妹猫と十分に遊ばせる、できるだけ人の手で触ってあげる、動き回り始めたら面白く複雑な環境を与える、人の生活を見せる、生活音を聞かせる、様々な人に会わせるなどの社会化を進めてくれていることが望まれます。ただし、入手後の家族による社会化が無駄と言っているのではありません。入手後も社会的・環境的両方の経験をさせることは重要ですし、社会化できていないもの(こと)を発見することにも役立ちます。特に6ヶ月齢までは続けて社会化、習慣化の刺激を続ける必要があります。

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ワクチンなど

注射 動物病院の指導のもと、ワクチン接種、フィラリア予防(犬)を受けられることを勧めます。初年度のワクチン接種は特に重要です。致死的な疾病をワクチンで、そしてフィラリアを薬で予防できれば、ほぼ健康的な生活が送ることができ天寿を全うします。

市販ワクチンで予防できる犬の病気(感染症)は、狂犬病、犬ジステンパー、犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)、犬伝染性肝炎、犬パルボウイルス感染症、犬パラインフルエンザウイルス感染症、犬コロナウイルス感染症、犬レプトスピラ病です。ワクチンで予防できる猫の感染症は、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、猫白血病ウイルス、クラミドフィラ フェリス感染症、そして最近開発された猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)です。

犬では狂犬病予防法により生後91日以上での登録と狂犬病予防注射が義務付けられています。犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合は生後90日を経過した日)から30日以内に、その犬の所在地を管轄する市町村に登録の申請をし、鑑札の交付を受けなければなりません。また、狂犬病予防注射を毎年1回受けて、注射済票の交付を受けなければなりません。なお、登録料、予防注射の受け方などの詳細は窓口でお尋ねください。登録のない犬は野犬とみなされ野犬掃討の対象となります。登録は生涯1回です。引越しをしたとき、家族が変わったとき、死亡したときにも手続きが必要です。

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訓練

猫 室内犬ではまずトイレのしつけからです。最初は失敗が続くかもしれませんが、メリハリをつけてしつけていけば、すぐに覚えてくれます。心配はいりません。重要なのは服従訓練です。家族のリーダーシップを一生維持するために必須のことです。少なくとも「お座り、待て」の命令に従う、それから「ダメ」で行動を抑制するという訓練だけはやりましょう。これだけできればほぼ大丈夫です。全ての人・動物に友好的にふるまう、散歩のときのハンドリングに従う、問題行動は制止によりすぐに止めるなどができれば共同生活を心から楽しむことができます。

猫の場合もしつけは大切です。危険を伴うような行動は少ないかもしれませんが、共同生活の最低ルールは守らせなければなりません。トイレはトイレ容器で、マーキングをしない、破壊行動をしない、攻撃行動をしないなどを教え込まなければなりません。猫をしつける場合の一般的注意を箇条書きしておきます。

  • 基本的に「猫は決まりに従うこともできなければ決まりを破ることもできない」と認識しておく
  • 過去の問題行動を時間を経て叱ることはなんの役にも立たない
  • よい行動を褒めることでしつける
  • 遊び、気に入った休み場所への自由な往来、新しいものを調べるチャンスが褒めることになる
  • 罰は不安レベルをあげるだけ
  • もしどうしても罰が必要な場合はあたかも神が行ったように(詳細は問題行動に関する紹介で)
  • 行動が矯正されるとき、当初はその行動の頻度は通常より高くなる(その後徐々に減る)
  • 猫と良好な関係を維持するには、猫に無理強いせず、猫が相互作用を求めたときに相手になってやること

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運動

家族の毎日の生活パターンに、犬や猫との遊び・運動の時間をきちんと入れておきましょう。運動は犬猫にとってばかりでなく、人間にとっても健康的なことです。その上、欲求不満からの問題行動も予防できます。

若い犬は結構な運動量を要求します。ストレス解消、問題行動の予防等にも、運動によるエネルギー発散が大切です。遊びたくて、吠えついたり、飛びかかったりすることがあります。これは制止しなければ事故につながります。対処法は「要求行動には一切応じない(無視する)」です。運動量は個体によって異なります。外から連れ帰ったときに、犬が落ち着いて休息の姿勢を取るようであれば、十分な運動量といえます。ただし、運動させればよいというものでもありません。過度の運動は良くありません。特に成長の早い犬種では、股関節異形成などの骨・関節疾患を誘起することがあります。

犬、猫のおもちゃ 犬も猫もおもちゃを使って遊ばせることもあります。家族とのコミュニケーションです。ただし、おもちゃの安全性には気を配ってください。割れたり、飲み込んだりで、事故が起きないようにしてください。特に犬では人が身につける物(手袋、靴下、靴など)、人の手・足、生活用品(タオル、毛布など)をおもちゃにしてはいけません。それらを犬がおもちゃと認識するとその後様々な被害に会うことになります。

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